照明計画で注意する事
ここでは、身の周りや現場で生じた現象や相談された内容を中心に照明効果で注意すべき点に
対して、改善点や注意点をまとめました。
身の周りや現場の中で気になる点がありましたら、照明計画の視点で更新したいと思います。
又、サイト閲覧者の方で気になる所がありましたらメールにてご連絡の程よろしくお願い
いたします。
サイト閲覧者の方々との共有サイトとして気を付けるべく内容を上げて皆さんと行きたいと考えて
います。
サイト運営につきましてご協力の程よろしくお願いいたします。
①:間接照明の光量選定について
光を受ける素材の色彩・テクスチャーにより見え方だけでなく反射グレア(反射による眩しさ)に
より不快感を感じさせます。
ここでは、居酒屋の現場で後付けで工務店が造作に設置した間接照明です。
設置した照明器具はFL20W昼白色の直付器具になります。よくあるのが照射距離や照射面を考慮
せず、見た感じがコンパクト器具に変更しました。
現場では、このように条件を考慮せずに 身近にある照明器具を設置する事があります。
その際には、照射距離や照射面の素材・色彩を確認した上で現場打合せで調整する必要が大切です。
● チェック項目では、 ① 照明器具の設置箇所と取付方法 ② 照射距離の確認 ③ 照射面の素材(色彩・ツヤ)の確認 ④ 配線経路の確認
が必要です。

②:グレアレスダウンライトを使用する際について
グレアレスダウンライトを使用するに当たって気を付けなければならないのが天井面に
対して明るさ感を感じにくい点です。
グレアレスダウンライトは、外資系ショップで天井面の眩しさを抑え、商品だけを
魅せる事を目的にできた照明器具です。
特に集光配光の光などは欧米の方々には、眩しさに対して極めて敏感な事からこのよう
な照明器具ができた経緯ではあります。しかし、日本人の場合特に年配の方々には逆に
暗さ感を感じる事が多く感じます。若年層に対しては、適応性が高いですが年配の方に
は、住宅などで照明計画する際に施工写真やサンプルなどで灯具の特性や明るさ感を
確認する必要はあります。
● チェック項目では、 ① 点灯時の照明器具の確認 ② 器具直下の明るさ確認 ③ 照度バランスの確認
が必要です。

③:照射物の反射素材について
集光の光を使用する際は、照明器具の真下に反射しやすい素材やテクスチャーが存在
するかを確認する必要はあります。写真右の様に正反射にて天井面に床面やテーブル
などの反射光を映る事があります。その際には、フロストフィルターの装着やユニバ
ーサルダウンなどの可動できる灯具の場合は、角度調整で反射光をぼかすなどの手段
が必要になります。
最適なのは、表面が粗い素材の家具などで反射光をぼかす等の対策は適正と思います。
チェック項目では、
① 家具レイアウト図と照明配置図との整合の確認
② 家具、床素材などの仕上げの確認が必要です。

④ サイン面の反射素材につぃて
基本計画では、カーテンウォール内の壁面に光を当てた上で、内照式
でカーテンウォールを光らせる考えでした。
現場での計画変更によりカーテンウォールをライトアップし、反射で
光らせる方式に変更となりました。
カーテンウォール内にカッティングシートで光を食付かせる方向で
したが、カラス表面に光が正反射した事で光をガラス中央に載せる事
はできませんでした。
遠方からの視認では、中央の明るさは、落ちますがサイン面下では
上の灯具が中央まで光が届いているのが分かると思います。
このようにカーテンウォールを光らせる対策としては、
① 内側に照明器具を納める
⇒ 内部からのメンテナンスができるようにする。
② ガラス表面を粗い加工で光が拡散反射できる様にする
⇒ ガラス面のクリーニングは要検討ではあります。
③ スポットライト4台でガラス面との照射距離を持たせた上で、
上下と中央へ光を当てる以上が対策案として考えられます。

遠方から

近方から
⑤ 室内の明るさ感確保について
良くお話で伺うのが照度は確保できているが、明るく感じないとの相談が良くあり
ます。特に必要照度は確保できているが明るく感じないので対策として増灯したいと
考える方が多いのです。まず、言える事は壁面などに光を当てる事を進めます。
理由として、視線上に明るさを感じると明るいと認識します。必要照度を確保できて
も、壁面にどの程度の照度 若しくは 輝度の明るさがあるかを確認する必要はあり
ます。
チェック項目では、
① 壁面に対する照度・輝度確認
② 壁面に対する明るさの範囲の確認
⇒ 壁面用照明器具の配光確認が必要です。

⑥ 裸電球による照明計画について
新規やリニューアルなどの住宅照明でLEDなどの裸電球で明るさを確保する場合が
あります。手元照明以外に基本照明としても使用する場合があります。
ここで注意したいのは、照度基準で計画した場合かなりの灯数で計画する事になりま
す。理由としては、全般拡散照明の為床面に十分な照度を確保するには写真右の約5倍
の灯具が必要になります。
全般拡散照明で計画する際には 照度目安でなく、床・壁・天井の輝度バランスで計画
する事が大切です。
チェック項目では、
① 内装材の色彩・明度の確認
② 床・壁・天井への 5~12cd /㎡範囲の輝度バランスの確認
が必要です。

⑦ 色温度のバランスについて
良くあるのが飲食スペースと厨房スペースが隣接する場合の光の色温度です。
雰囲気の良い空間の中で実務的な光があると浮いて見える事があります。
隣接する空間で色温度の差が極端な場合、違和感を感じさせます。
違和感を感じさせない考え方としては、極端な色温度差を避ける事です。
その際には、主である飲食スペースを軸に作業スペースエリアでは、一つ上の色温度の
光にするか、配光角度∠30の器具や可動式照明器具などの光で壁面や什器に光が当たら
ない形で照明環境を作る事がポイントになります。
チェック項目では、
① 隣接するスペースの色温度の確認
② 飲食スペースからの視界で作業スペースに光が見える箇所の確認
※現場状況によりますが同色温度においては、問題が無いです。
③ 作業スペース内の照明器具の配光確認
※作業エリアでは、反射グレアにより作業時に不快を感じさせますので集光や灯具位置
には注意してください。
が必要です。

⑧ 映り込みの抑制について
路面のオフィスやショップなどで良くあるのが日中で映り込みの影響で室内の様子や営業感が分からない事での
相談が良くあります。特に計画時では床面・机上面の明るさは確保できているが室内が分からないとの話 や
オフィス内でも日中は採光の影響で夜間より暗く感じるなど全体的に暗さ感を感じる事での相談です。
その際には、壁面や天井面への面的な明るさ感のアドバイスをさせて頂きます。
映り込みの現象面だけでなく暗さ感を感じさせるのは、室内においても視力的に疲労感を感じさせるだけでなく
安全衛生面からも暗さ感が心理的に不安感を作ります。その上では、外観からも見た目に意識するだけでなく
視環境の整備として壁面や天井面などへの明るさ感は大切です。画面輝度が中心のPC作業が中心である事からも
室内の光環境は、より大切と言えます。
チェック項目では、
① 壁面・天井面に対する明るさ感の確認
② 外壁ガラス素材の反射・透過率の確認
③ 各部位の用途や作業内容の確認
④ 昼光センサー起動時における事務所内 の床・壁・天井面の照度・輝度バランスの確認
※昼光センサー使用の場合
⑤ 日中時の照度シミュレーションによる外部からの輝度確認
が必要です。

室内の明るさ感が無い場合

室内の明るさ感が有る場合